本日(2月9日)の南日本新聞に「大隅半島30石碑 調査記録を出版」と題して、上園正人・瀬角龍平共著『石碑が語る大隅の歴史』(高城書房、2200円)が紹介されています。著書を手にした大隅史談会会長の瀬角氏の写真が付いた以下の記事です。

瀬角氏は「碑文からは歴史書には書かれない、地元の人々の感情のひだが見えてくる。」と語っています。碑文の口語訳を読むと、先人達の足跡の記録だけではなく、作者や関係者の「思い」が伝わってきます。

前回の本会ニュース記事で事例として挙げた本書の2つの石碑で、「子供を亡くした親と地域の人の痛切な嘆きと宗教心とも言うべき真心が、文面からうかがわれます。」と書いていますが、これも瀬角氏が言う「地元の人々の感情のひだ」の1つでありましょう。

瀬角氏は「先人が刻んだ歴史を読み解き、後世に伝えたかった。郷土を知る基礎資料としても活用としてもらえれば」と話しています。

なお、共著者の上園正人氏は、恩師の大谷敏夫 鹿児島大学名誉教授から漢文資料講読力が抜群と言われた郷土史家でしたが、本著書の出版直前に急逝されました。ご冥福をお祈りします。