11月21日(日)に大隅史談会の現地研修会が開催されました。鹿屋市祓川町にある大園橋に、一般応募の方24名、大隅史談会役員・外部講師9名の合計33名が集合しました。本会役員と外部講師よる案内・説明で、大園橋、長谷観音、瀬戸山神社を見学しました。
9時半に瀬角龍平会長の挨拶から始まり、その後に小手川清隆理事が大園橋の歴史と特徴、アーチ式石橋の架け方、日本と大隅のめがね橋についての詳細な説明をしました。
その後、石材加工が専門の川村忠氏が、大園橋に高須の荒平石が使われたことや、高度な技術で造られた貴重な石橋であることを補足説明されました。
大園橋が建造されてから117年を経過した今でも、堅牢で優美な姿を維持しているのは他に例がないことであり、貴重な文化財であることを、参加者に理解していただけたと思います。
次に、歩いて紅葉が見頃な長谷観音に行き、白井森芳事務局長が長谷観音にまつわる歴史、地元に言い伝えられた「炭焼き吾郎治」について話し、当時は金属精錬に使う炭が高価であり、炭を焼く人々の社会的地位が高かったことなども伝えました。
次に小手川理事が観音堂の横に並べられた中世古石塔群について説明し、その中に冨山一族の長谷氏の逆修供養塔があり、長谷一族が上祓川などの田地開発をしたことなども話しました。
最後に、長谷観音の登り口階段の横に建っている「名馬轟號之碑」について、瀬角会長が碑に刻まれた文を分かりやすく読み下し、轟號は主に戦争で使う良馬を得るための種馬であったことを、歴史的背景を交えて説明しました。
それから、各自の車で瀬戸山神社下の芝生のグランドに行き、幕の内弁当を食べて休憩しました。
その後、中祓川町内会会長の小林宗生氏から祓川地域の歴史的な特徴と瀬戸山神社の説明をしていただきました。瀬戸山神社は、昨年の台風で神木の一部が折れて本殿と拝殿が破壊されたため、新しく造り直された直後でした。ピカピカの拝殿の前で、この神社は三所権現の一つで水と木と山の神を祀っていることや、県下最大といわれる棒踊りが奉納されることなどを、小林氏からうかがいました。
最後に瀬角会長が、大隅史談会が毎年発行している『大隅』は、来年度から論考・俳句・短歌・随筆に、新たに薩摩狂句を加えて総合誌を目指すことを参加者に伝え、投稿をお願いしました。14時に解散しました。
今回の配布資料や記念写真は、本ホームページの「大隅の情報」の中にある「現地研修」にあります。