薩摩藩主・島津氏の一向宗への弾圧は過酷で、隠れ念仏などで密かに信仰を続けていた者に、拷問や処刑があったことはよく知られています。

甑島(こしきしま)では、一向宗の信者が拷問に耐え抜いたり、処刑される者の気合の凄さにおののいた役人が処刑中止にして、釈放した事例があったことを、橋口満氏が最新号の『大隅』第64号に「甑島の一向宗禁制史 ー 植村喜平太の反乱 ー」と題して報告されています。具体的な弾圧と釈放の事例が子孫によって文章で残されていた事例は極めて稀です。

ご先祖が甑島から大隅に移住された橋口満氏は、昔は縁戚関係にあった甑島の植村家から、そのご先祖の手記『一向宗近世当時の血涙誌の事ども』を入手され、その大要と甑島の一向宗禁制史を分かりやすく簡潔にとりまとめられています。

郷士・植村喜平太は、船で取り締まりに来た宗門奉行を船に投げ飛ばしたりした強者でしたが、年々取り調べが厳しくなり、ついに処刑されることとなりました。今まさに一刀両断の時、‥。詳細は『大隅』第64号をご覧ください。

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