旧垂水城は、シラス台地の特徴を生かした南九州の典型的な山城で、国道220号線の北迫橋バス停から北東の山の上にありました。
山城はシラス台地が先がつき出た形の、見通しの良い場所(野首といいます)を選んで作られています。

この垂水城跡の西側の麓にはきれいな水がこんこんと湧き、『殿様水(とのさまみず)』と呼ばれています。
名称の謂われは判りませんが、垂水城の殿様が飲んだかのも知れません。また、昔から道行く人々や野山を駆け巡る悪童たちののどをうるおしたことでしょう。

『垂水市史上巻』や「ふるさとの歴史垂水編』(中島信夫著)によると「垂水城のシラスの崖下からは、清水が湧き出して来るので、この出水にちなんで、「垂るる水」から「垂水」という地名が起こったといわれ」るようになった、とも記されています。