日本で最初にできた禅寺「道隆寺」の跡が、肝付町新富本城にあります。明治初期の廃仏毀釈で寺の全てが徹底的に破壊されたため、跡地として残りました。江戸時代の三国名勝図会には、破壊される前の寺の姿が描かれています。
道隆寺は、鎌倉時代の1246年(寛元4年)、南宋の禅僧である蘭渓道隆(大覚禅師)が開山しました。7年後の1253年に鎌倉幕府第5代執権の北条時頼に請われて、蘭渓は鎌倉へ赴き、臨済宗建長寺派の大本山である建長寺を開山しました。
「肝属観光協会」のホームページには、現在の寺跡の様子が以下のように書かれています。
「本堂などがあった場所は水田になっていますが、林の中には観音堂跡があり、仁王像、ヤグラに刻まれた磨崖五輪塔、宝塔、経塚、六地蔵塔、無縫塔(むほうとう)、灯龍、鎌倉時代から戦国時代に至る数多くの五輪塔が古い歴史を物語っています。」
秋には植えられた多くの紅葉が色づき、素晴らしい景観になります。
以下の史論集「大隅」に、「道隆寺跡」に関する論考が載っています。
『大隅』(第50号)2007年発行 価格2,200円
・道隆寺跡の石塔群 隈元 信一
・道隆寺跡の残影 竹之井 敏
・志布志大慈寺と道隆寺跡との交流 福谷 平
『大隅』(第55号)2012年発行 価格2,000円
・道隆寺跡六地蔵原型復元 福谷 平
『大隅』(第58号)2015年発行 価格2,000円
・【推考】道隆寺跡の兼員五輪塔(墓) 福谷 平
・道隆寺を後世に語り継ぐ歌碑 下田 節子