鹿屋市吾平町の寺ヶ迫に、集落内で毎年持ち回りをしていた田の神様の石像が残っていました。
10年くらい前に、下寺ヶ迫の13戸で持ち回りを止めた田の神様が、溝口様宅にあると伺い、短時間ながら、拝見させていただきました。
化粧をした田の神様の石像が、床の間に置いてありました。石像は高さが50cmほどで藁束と竹筒を背負い、
竹筒の中には「田ノ神構帖」と書かれた書類がありました。
書類には、毎年2月に開催された、集落の信仰や相互扶助の集まり(講)の担当者(座元、主取)の名前、焼酎と料理の材料の値段が書かれています。
また、座元が各戸に渡すカラフルな長い紙も見せていただきました。恐らく、家内安全や豊作を祈願する物かと思われます。
この田の神様の石像は、今となっては大変貴重な民俗資料ですので、更に詳しく聴き取りをして、記録に残しておきたいです。
(文責:朝倉悦郎)