この度、鹿屋市の有限会社一里山不動産(福山敏昭代表取締役)は、「島津日新公のいろは歌」が書かれた額を、大隅の小中学校や学習センター、寺子屋活動をしている町内会に贈呈することを始めました(以下の写真は南九州新聞の記事の一部)。

同社は、青少年が「島津日新公のいろは歌」から社会人としてあるべき心得を学んで、健全に成長して、地域の活性化と発展につながることを願っています。

「日新公いろは歌」とは、島津家中興の祖といわれる島津忠良(ただよし)(号は日新斉・じっしんさい)が、5年余の歳月をかけ完成させたという薩摩藩の「郷中(ごじゅう)教育」の教典となったといわれる47首の歌です。歌に込められた精神は、現代の私たちにも通じる多くの示唆を含んでいます。

例として、以下に「日新公いろは歌」4首と口語訳を示します。
・「いにしへの道を開きても唱えても わが行いに せずばかひなし」 ⇒ 昔からの立派な教えをいくら聞いても、またどれだけ口先で唱えても、自分で実行しなければ何の役にも立たない。
・「楼の上もはにふの小屋も住む人の 心にこそは 高きいやしき」 ⇒ 立派な御殿に住んでいようと、粗末な小屋に住んでいようとも、それで人間の価値は判断できない。心のあり方によってこそ真価が決まる。
・「はかなくも明日の命を頼むかな 今日も今日と 学びをばせで」 ⇒ 明日のことは誰もわからない。勉学修行を明日に引き延ばし、もし明日自分が死んだらどうするのか。今この時を大切にすべきだ。
・「似たるこそ友としよけれ交らば われにます人 おとなしき人」 ⇒ 人は自分と似たような人と仲良くなるが、それだけでは進歩は望めない。自分より優れた見識を持つ者を友とすることで自己研鑽をすることが必要だ。

なお、一里山不動産社は、大隅史談会が毎年発行している『大隅』を、大隅各地の学習センターや全国にある大隅各地のふる里会などに寄贈され、大隅の歴史や文化の研究や情報発信に貢献されています。また、一里山不動産杯小中学生駅伝大会のスポンサーとして、少年たちのスポーツ振興にも尽力されています。