以前に、志布志の「大慈寺」を開山した玉山玄堤和尚が、修行した唐から帰国の際に、暴風雨に遭って浜田海岸に漂着し、海岸近くに「呑海庵」をむすんだことを紹介しました。
その呑海庵跡にある地蔵菩薩が、4年前には林の中に隠れるように置かれていました。
最近、林が伐採されて、地蔵菩薩の左半身が、切られたハゼの木に呑み込まれるような姿で、道路横にありました。何処かに「しばられ地蔵」と呼ばれる地蔵がありますが、こちらはさしずめ「抱かれ地蔵」とでも名付けたい地蔵です。
数年もすると、この姿も見られなくなるのではないかと心配になりました。
この地蔵菩薩は、右手に錫杖、左手に宝珠のようなものを持っておられます。故隈元信一氏によれば江戸時代前期の作とのことでした。