薩摩藩では、1866年(慶応2年)に開始された廃仏毀釈のはるか前の1597年(慶長2年)から、1876年(明治9年)に至るまで約300年間の長きにわたり一向宗(浄土真宗)を禁制にしていました。

信者は「講」という秘密組織をつくって、土蔵の二階や山中の洞穴(ガマ)に夜間集まり、ご本尊の阿弥陀仏を拝みました。
「隠れ洞穴」「念仏洞」と呼ばれる洞穴が、今でも県内数か所に史跡として残っています。
大隅にはたくさんの「かくれ念仏洞穴」がありました。例えば鹿屋市の花岡地区には3ヶ所にあったそうです(史論集「大隅」第50号75頁)。

現在、道や案内が整備されて行きやすいのは、吾平町黒羽子(くろはね)にある「かくれ念仏洞穴」です。

行ってみたい方は、美里吾平コミュニティ協議会の案内資料でルートなどを確認してください。
なお、雨の日は、急な坂道が滑りやすいので、行くのを取り止めにしたほうが良いでしょう。